衝 立
TSUITATE screens衝立の構造
衝立の構造は、板状の本体と、自立するための脚部からなっています。
江戸表具製品としての衝立は、襖や屏風と同様、細い角材を組んだ骨下地に、何層にも和紙を張り重ねたものを本体としています。
表面の上張りには、書や絵画、加飾された唐紙などを張りこんだ伝統的な物のほか、好みの紙や織物を張ることもできます。本体も四角形とは限らず、椽(ふち)の素材や有無などとも併せて、無限のデザインが考えられます。
衝立が視線を魅きつけることで、それより向こう側への関心を逸らすことを、表具技術が可能にしています。
また、どっしりした木製品のものに比べて比較的軽量で、移動が容易であることも、表具製品としての衝立ならではの特長といえます。
日本建築の開放的な見通しのよさを保ちつつ、外と内、共有の空間と私的な空間を、ゆるやかに、自在に分けてしまう不思議な存在。現代の住宅においても、LDKや吹き抜けなどの広い空間に活用できる可能性は、もっと見なおされてよいでしょう。
機能性と美を
兼ね備えた衝立を
住まいに
現代の住宅ではあまり見かけることのない衝立ですが、リビングや寝室を緩やかに仕切るしつらえとして、また、美しい空間のアクセントとして楽しんでいただけます。
フラットでありながら自立する衝立は、軽量で移動も簡単。場所もとりません。また、上張りに貼る色や柄の紙、織物の工夫で、モダンな空間に合うデザインにすることが可能です。

伝統的な技術又は技法
- 屏風、額、襖及び衝立にあっては、次の技術又は技法によること。
- 下張りは、「骨縛り」、「ベタ貼り」、「蓑張り」、「蓑押え」、「回りすき」、及び「袋張り」によること。
- 屏風の蝶番は、「羽根付け」によること。
- 仕上げの張り込みは、「上張り」によること。
(経済産業省伝統的工芸品指定の告示より)
江戸表具を新規に作成なさる際や、お使いの表具類を作り替えられる際には、是非伝統的な技術・技法、良き素材のものを用いていただけることを願います。
その施工には江戸表具を継承する東京表具経師内装文化協会の表具師(会員)に、ご用命いただければ幸いです。
その施工には江戸表具を継承する東京表具経師内装文化協会の表具師(会員)に、ご用命いただければ幸いです。